どのナッツをメインに食べるべきか、脂肪酸に注目して検討してみる
(追記)読むのがダルい人のために結論:(良い)マカダミアナッツ>ヘーゼルナッツ>カシューナッツ>アーモンド>>ピスタチオ>>>その他(悪い)
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ララバー(エナジーバー)の材料に、また普段の間食に、どのナッツをメインにするかを検討した。
ナッツはオイルが多数含まれているのでどれでも食べすぎ注意なのだが、それでも食べるとすればどれを選ぶべきなのか。
複数のサイトをめぐってみたが、脂肪酸の比率を分かりやすくまとめたサイトがなかったのでここにまとめてみた。
評価方針
脂肪酸で酸化しにくいものを高く評価する。したがって飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸を高く評価する。
多価不飽和脂肪酸は低いに越したことがいいが、含まれているのならオメガ3の比率が高いものの方がいい。
オメガ6は可能な限り低いほうがいい。
備考
オレイン酸‥一価不飽和脂肪酸のひとつ。オリーブオイルなどに含まれる。
リノール酸‥オメガ6。現代人は摂りすぎと言われる。
αリノレン酸‥オメガ3。EPAやDHAに代謝されて体にいいと言われるが‥
- アーモンドにはベンフォチアミンというAGEs抑制物質が含まれている。ただし生アーモンドでないとダメかも?
- アーモンドには血糖値上昇を抑える作用がある。ただし原因はよくわかっていないようだ。
- カシューナッツとくるみは高ヒスタミン食品
- ピスタチオは発がん性のあるカビに侵されていることがある
- くるみもカビに汚染されやすい(ピスタチオほどではない)
- 100gあたりのフィチン量は多い順にアーモンド0.35〜9.12、くるみ0.2〜6.69g、カシューナッツ0.19〜4.98g、ピーナッツ0.17〜4.47g、マカダミアナッツ0.15〜2.62g、ヘーゼルナッツ0.2〜0.9g(フィチン酸とは?鉄分や亜鉛などのミネラルの吸収を阻害するって本当? | マヌカハニーのTCNが送る健康情報サイト)
- フィチン酸はミネラルの吸収を阻害するが抗酸化作用もあるのでまるきり悪玉というわけでもない
- 生食するときのソーキング(浸水)時間目安(参考)
- アーモンド(12-18H)、ピーカン(12-18H)、ヘーゼル(8H)、ピスタチオ(8H)、くるみ(7H)、マカダミア(2-4H)
脂肪酸表
100gあたり(カロリーSlism - 栄養成分/カロリー計算より※)
(※カボチャの種のみ SELF Nutrition Data | Food Facts, Information & Calorie Calculator より)
- カッコ内%は脂肪酸総量に対するその脂肪酸の比率
- 参考価格は ドライフルーツの販売店フルーティヤ のロースト通常価格1kgを基準に算出。
- ローストされたものを基準
名前 | 飽和脂肪酸 | 一価不飽和 | オメガ6(悪) | オメガ3 | 脂肪酸総量 | 100gあたり参考価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
アーモンド | 4.13g(7.9%) | 35.16g(67.6%) | 12.67g(24.37%) | 0.01g(0.01%) | 51.97g | 252.6円 |
カシューナッツ | 9.97g(21.7%) | 27.74g(60.5%) | 8g(17.4%) | 0.08g(0.17%) | 45.79g | 314.8円 |
ヘーゼルナッツ(ハシバミ) | 6.21g(9.3%) | 54.74g(82.6%) | 5.24g(7.9%) | 0.07g(0.1%) | 66.26g | 329.4円 |
マカダミア(マカデミア)ナッツ | 12.46g(17%) | 59.23g(80.9%) | 1.47g(2%) | 0.09g(0.12%) | 73.25g | 558.4円 |
くるみ | 6.83g(10.1%) | 10.26g(15.2%) | 41.32g(61.29%) | 8.96g(13.3%) | 67.41g | 315円 |
ペカン(ピーカン)ナッツ | 7.4g(10.6%) | 37.33g(54.3%) | 23.07g(33.5%) | 0.99g(1.4%) | 68.79g | 494.1円 |
ピスタチオ | 6.15g(11.5%) | 30.92g(57.8%) | 16.22g(30.3%) | 0.2g(0.37%) | 53.49g | 303.5円 |
ヒマワリの種 | 5.68g(12.1%) | 12.87g(27.5%) | 28.22g(60.2%) | 0.09g(0.2%) | 46.86g | 152.4円 |
カボチャの種 | 8.0g(19%) | 13.1g(31.1%) | 19.02g(45.18%) | 0.166g(0.39%) | 42.1g | 213.3円 |
ピーナッツ | 8.33g(18.6%) | 22.76g(50.8%) | 13.65g(30.4%) | 0.08g(0.18%) | 44.83g |
おまけ
名前 | 飽和脂肪酸 | 一価不飽和 | オメガ6(悪) | オメガ3 | 脂肪酸総量 | 100gあたり参考価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
チアシード | 3.2g(10.39%) | 2.1g(6.8%) | 5.785g(18.78%) | 17.552g(56.99%) | 30.8g | 149円 | unroasted |
フラックスシード(亜麻仁) | 3.7g(8.77%) | 7.5g(17.77%) | 5.911g(14%) | 22.813g(54.06%) | 42.2g | 280.5円 | unroasted? |
えごま | 3.34g(8.6%) | 6.61g(17.04%) | 5.12g(13.19%) | 23.7g(61.09%) | 38.79g | ||
キヌア | 0.7g(11.48%) | 1.6g(26.2%) | 2.977g(48.8%) | 0.307g(5.03%) | 6.1g | unroasted? | |
松の実 | 5.8g(8.3%) | 20.26g(29.1%) | 31.36g(45.1%) | 0.18g(0.25%) | 69.51g | 643.9円 | およそ9.94gの多価不飽和はピノレン酸だと思われる |
評価
マカダミアナッツ>ヘーゼルナッツ>カシューナッツ>アーモンド>>ピスタチオ>>>その他
ふたを開けてみればオメガ3はくるみ以外にはほとんど含まれず、無視していい要素だといえる。
- オメガ3を摂るならくるみと言われているが、それ以上にオメガ6の比率が多い。くるみではオメガ3とオメガ6の比率を改善できない。あえて摂る意味は少ない。
- というかオメガ6がダントツに多いからむしろ避けるべきではないのか?ヒマワリも多いけれど、くるみは脂肪酸総量自体が多いし。
- オメガ6とオメガ3のパレオ的理想比率は1:1だが、くるみではどう頑張っても達成不可能。
- ナッツからオメガ3を摂るなら圧倒的にチアシード。
- そもそもオメガ3を積極摂取すべきという言説を私は疑っている。酸化しやすいし、むしろ有害という説もある。オメガ3を摂るよりもオメガ6を減らすことを考えるべきという意見に賛成。
- オメガ3を摂りたいのならナッツで摂るのは諦めてサバ水煮缶を食べるべきだ。
- ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツは優秀。徹底してオメガ6を減らしたければマカダミアなのだけど、コストを考えるとヘーゼルナッツも混ぜたい。
- カシューナッツもまずまず。甘みが強いから脂肪が多く含まれてる先入観があったがこの中では最も脂肪が少なかった。オメガ6も意外と少ない。コストも安い。
というわけで、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツをメインに摂取することにした。
意外とカシューナッツとヘーゼルナッツは優れていたんだな。さすが3大ナッツだ。
アーモンドはほどほどに、ピスタチオはカビ毒が怖いからさらにほどほどに、ヒマワリの種は数値だけを見ればあえて摂る意味がないけれど好きなのとコスパがいいので何かに混ぜる程度に使用する所存。ピーカンナッツはあまり好きじゃないので買わない。ピーナッツは好きじゃない上に毒性が強いので摂らない。
くるみは今まで健康に良いと信じて積極摂取していたけれど、こうやってまとめてみるとデメリットばかり目立つ結果となったのでもうこれからは控えていこうと思う。
参考
- ナッツについて – 日本ナッツ協会
- 他にナッツの成分を調べるのに都合のいいサイト。ただし表示が崩れてうまく表示されないのでソース表示させる必要あり。
- くるみは栄養価が高いので育毛的にも良さそうですが脂肪酸に注意
- さまざまなナッツの育毛についての効果を評価
- ナッツ油の効果効能|ナッツの種類と体にいい食べ方 | 健康のための情報と身体にいい食品|カラダスタイル
- くるみ、アーモンド、ピーナッツ、ぎんなん、カシューナッツ、栗
その後、各ナッツの評価
鳴り物入りで希望がもたれていたヘーゼルナッツだが、ローストした味が油っぽいのと、食欲を促進させて食べ過ぎてしまうという問題点が浮上した。
現時点での仮説は、アーモンドとカシューナッツと何かほかのナッツを組み合わせることでちょうどいいおつまみになるのではないか、とのこと。
なおヘーゼルナッツはデーツと混ぜることでブリスボールとして活用することも考えたが、デーツ自体が甘すぎてかえって食欲を増進させてしまうためこの計画も半ばとん挫気味。ドライフルーツとして現時点で甘みが少なく評価できるのはイチジクであるが、ことによってはブリスボール化せず、単品でイチジクとナッツをつまむという構成も考える。