Dropboxから移行したMEGASyncの同期の挙動がずっと懸念を感じさせるもので、かねてからフラストレーションが溜まっていたが、いよいよ脱却を図ることにした。
ずっと困っていた様は以下の記事を見てもらえればわかると思う。
- Dropboxの移行先としてのMEGAsyncの評価 - cafegale(LeafCage備忘録)
- MEGAsyncが逆同期をしてくるのでBox にクラウドストレージを移行しようかとしたけど辞めた理由 - cafegale(LeafCage備忘録)
MEGASyncの良かったところ
- 共有ルートディレクトリ名に制限なし(Dropboxなら「Dropbox」、OneDriveなら「OneDrive」と共有フォルダの名が固定されているが、その縛りがない)
- 別の場所にある複数のディレクトリを共有フォルダとして指定できる
- ファイルとディレクトリを名前(パターン)によって共有から除外できる。特に「node_modules」を除外できるのは助かった。
- Linuxに対応
- Windowsではポータブル化できるかも?→MEGAsyncのインストール場所を変更したり、ポータブルメディアから実行することはできますか?
- 容量がすごく大きい。どれくらいか忘れたけど他のサービスと比べて群を抜いて大きかった気がする。
MEGASyncのダメなところ
- 公式サイトに繋がるのが遅い。変なロード画面を見せられる。
- 更新したファイルがわかりにくい
- ファイルを新規作成しても更新してもメッセージでは「foo.txtが追加されました」と出て既存ファイルの更新なのか新規なのかわからない。
- あるファイルを更新するたびに「foo.txtが追加されました」がリストされるので同じメッセージが複数行並ぶことになる。
- ファイル単位の更新情報しか表示されない。ディレクトリの新規作成・リネームは表示されない。
- 競合が起きたときの挙動がおかしい。→同じクラウドロケーションに同期されたクライエントに、同時に矛盾する行動が取られると、どうなりますか?:“MEGAsyncの現在のバージョンは、このような衝突を決定論的な方法で解決しません。 可能であればそれらを避けてください。”
- ファイル・フォルダの削除・リネームを正しく識別できていないことがある。削除したはずのファイルがいつの間にか復活していたりリネーム前のファイルが再び作成されたりする。
- ファイルの作成と更新については問題なく識別してるのでこの2つだけを主に行うフォルダにだけ使うといいだろう
特にこの、ファイル・フォルダの削除・リネームを追跡できていないことが致命的で、ファイルを激しく追加・削除する git を使っていたらシステムが破壊される懸念があった。
OneDriveのよさげなところ
- Windows標準搭載。ただしバージョンが古い場合は公式サイトからダウンロードして更新しないと動かない。
- 容量が5GB。容量追加サブスクの料金が安い。さらにMicrosoft 365のサブスクもあるので最新Officeを使いながらという選択もできる。なお、サブスクは直接申し込むよりAmazonから購入した方が安い。
- ちゃんと競合を認識して対処してくれる。競合した古いファイルはコンピュータ名をポストフィックスにしてリネームして保持してくれる。
OneDriveのダメそうなところ
- とにかくメモリを食う。特に多数のファイルを走査、同期しているときのメモリ消費はヤバい。
- Linux標準クライアントはない。有志が作成した代替クライアントを試すことになるだろう。そして代替クライアントがずっとサポートしてくれるかどうかはわからない。
- 除外ファイル・フォルダの設定はできない。「node_modules」などをどうするか決めねばならない。
- 一度オフラインにしてから再度オンラインにした時の同期がとても遅い。ファイルシステム全体を確認して比較するアルゴリズムがよくないのではないかと思う。
- Dropboxに比べて遅いらしい→「Dropbox→OneDrive→Dropbox」。OneDriveへ移行した私がDropboxとの併用に戻した理由
- 更新されたファイルが更新ファイル一覧にリストされない時がある。
- 最近更新されたファイルがオンライン上やほかのデバイス上で確認できない。つまり更新されたことが明示されないけどファイルを開いたら更新されていたなんてことがある。
OneDriveはファイルオンデマンドが有効になっていて、他のマシンから同期されたファイルの実体はオンライン上にしかなくて使用時のみダウンロードするようになっている。これをやめさせるには設定から「容量を節約し、ファイルを使用するときにダウンロード」のチェックを外すか、エクスプローラで右クリックして「このデバイス上で常に保持する」を選択する必要がある。
気になる
前述の「MEGA」とコンセプトが非常によく似た、個人利用向けのオンラインストレージサービスが「pCloud」だ。音楽用のフォルダと、写真用のフォルダがデフォルトで用意されていることからも、どのようなユーザをターゲットとしているのかが伺い知れる。ちなみにMEGAと違って日本語化されておらず、英語で利用する。
Dropboxの代わりに最適なのは? 3つの無料オンラインストレージを徹底比較 | マイナビニュース